【第二新卒】面接はどこまで給与交渉ができるの?【採用担当者回答】

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第二新卒の給与交渉

第二新卒の面接において、前職の給与が25万だったので、28万に上げてもらう交渉はできるのでしょうか?面接の場でお金をの話をするのはちょっと気が引けますよね。

給与交渉の疑問
  • そもそも面接で給与交渉していいのか
  • 聞くタイミングや方法はあるの?
  • 他の人はどうしているのか気になっている
  • 具体的な金額を提示するのはあり?
  • 交渉してあげやすい業界とは

これらの疑問について、大手企業の中途採用に15年以上たずさわっている現役面接官の「はれきち」がお答えします。

結論として、第二新卒の面接において、給与面の交渉をする人は少ないですが、交渉はできます。むしろやるべきだと思っています。ただし、具体的な金額をいきなり示すと採用側と開きがあれば、不合格となります。採用側の立場で相手が不快にならない、交渉術を教えます。

この記事を読むと相手を不快にさせない聞き方タイミングを理解できます。さらに少しでも給与を上げる交渉ができるようになるでしょう。

目次

面接で給与の交渉はできる

転職の決め手

面接でお金の話をするのはご法度だと思っていませんか?

転職する上で、決め手となるのは

第1位:「希望する仕事内容」

第2位:「収入に納得

第3位:「勤務時間、休日数」

となっています。給与は転職する上で外せない項目の第2位となっています。

転職する上で給与は大事な動機のひとつとなっているのです。

企業が出している求人票を見る時、業務内容、給与、勤務地、休日、福利厚生は必ずチェックしますよね。そして、気になる会社であれば、必ずホームページで確認しますよね。

ここで注目すべきはやはり給与面です。

<とある求人の給与例>

例1)月給28万以上

例2)月給25万~35万

例3)年収400万~800万(入社時の能力・経験・年齢により異なります)

表記の仕方は企業によりバラバラです。最低限の金額はわかりますが、逆にどれくらいもらえるのかは不透明ですよね。

例えば、給与が25万~35万だと、どんな条件で35万になるか全くブラックボックスですよね。

言いかえれば、何も交渉しないと25万になるし、交渉結果次第では採用者の判断で35万にもなるのです。

交渉手順

交渉できるのはわかったのですが、どのようにすればよいですか?

はれきち

交渉するには「聞くタイミング」と「聞き方」が大事です

交渉手順
  • 聞くタイミングは二次面接または最終面接
  • 提示された給与の仕組みを確認する
  • 決裁者であれば上がる条件を聞き出す

聞くタイミング

給与の交渉はできますが、聞くタイミングを間違えると面接官に不信感だけを与えかねません。

一次面接、二次面接、最終面接があれば、必ず二次面接もしくは最終面接で聞くようにしましょう。業務内容の質問より、給与面ばかりを聞くと面接官にいやがられます。はい、私も嫌です。

特に一次面接でいきなり、お金の話をすると「業務内容に関心がない人」と私は判断しています。

よって、面接全体で考えると、給与より業務内容に関する質問を多くしてください。

提示された金額の仕組みを確認する

聞き方を間違えると即不採用となります。例えば、「前職25万だったので月給30万を希望したいです」といきなり金額提示をすると面接官はどんな実績や経験があるかわからないので困ってしまいます。

だからこのように聞くとよいでしょう。

ここがポイント!

給与面に関しては御社の規程にしたがいますが、次の点を確認してよろしいでしょうか?

  • 給与の仕組み
  • 基本給
  • 想定残業時間
  • 各種手当
  • 会社の平均年収

このように聞けば、失礼にあたりません。

給与の仕組みを聞くと金額のカラクリがわかります。仮に月給25万だとすると内訳がわかります。20時間のみなし残業を含んでいる、あるいは営業手当を含んでいる、家賃補助が含まれているなどわかります。

月給25万といっても『手当こみこみの25万』と『基本給のみの25万』では雲泥の差があります。

交渉するには提示された給与体系を理解することから始めなければなりません。

さらに面接官が人事部であれば、会社の平均年収を教えてもらうことができるでしょう。何しろ人事部は具体的なデータを持っていますから。例えば、平均年齢38才、平均年収520万と提示されると、ひとつの判断材料となります。

給与の仕組みをわかれば、想定月収が算出できます。まずはこちらを確認するようにしてください。

まずは求人票にあった給与の確認をすればよいですね

はれきち

そうです、希望額を伝える前に想定される給与の確認が先です

上がる条件を聞き出す

私は採用側の人間なので、自ら言うことはありませんが、『なぜ給与が上がる条件を聞かないか、もったいないな』と思っています。求人に月給25万~35万あるいは25万以上とあるならば、是非聞くべきでしょう。

相手が決裁権を持っている人なら、「ちなみに25万以上もらうにはどんな条件があるのでしょうか?」と確認してみましょう。

このように伝えれば、相手に不快感を持たれません。そうすると採用担当者から条件を教えてくれます。

<条件の一例>

  • 前職での実績を考慮する
  • 前職の経験を活かすことができる
  • ○○の経験が5年以上ある
  • ○○資格を持っていれば上がる
  • 前職の給与をみて判断する
  • 年齢を考慮して決める
  • 面接結果で判断する

面接官から条件を聞くことができれば、ここから交渉がスタートです。

何しろ給与を決める主導権は採用者側が握っていますからね。まずは採用者側から条件を出させて、交渉するれば一方通行になることはありません。

条件を確認して交渉すれば、アピールの的が絞れる

条件を聞かず、一方的に金額を提示すると難色示される

前職の実績や経験が給与に反映されるのであれば、その部分をしっかりアピールすればよいのです。実績経験値はもっとも上がる条件になるでしょう。

資格が条件ならば、取得すれば上がることがわかります。

ちなみに私の会社では「前職の実績」や「経験値」、「前職での役割」を考慮して、金額を上げています。例えば、数字の実績というよりは役割でグループリーダーをしていたとか、品質保証部や開発を担当していたなど特殊な業務をしていたら金額は上げています。

採用者は中途採用の場合、入社したら部内のどのポジションを受け持ってもらうか、想像しながら面接しています。当然、入社して部内の人との給与バランスは一番に考えていますからね。

他の人はどうしている

他の人は面接時に給与交渉しているか、あるいはしていないか気になりますよね。

答えとして、第二新卒の面接だと、交渉してくる人は少ないです。逆に30代、40代の面接になると給与交渉はほとんどしています。

第二新卒は給与交渉をほとんどしていない

第二新卒が給与交渉しない理由
  • そもそも給与交渉ができると思っていない
  • 前職での実績が乏しい
  • もともと給与が安いので気にならない
  • 交渉して、嫌なヤツだと思われたくない
  • 給与面より業務内容や働く環境を優先したい
  • 給与交渉しなくても前職より条件がよい

一番は給与交渉はできないと思っている人がまだまだ多い。そして、前職をすぐ辞めたり、人間関係でストレスを抱えて辞めているので、給与面より働く環境を優先しているのでしょう。

私が言いたいのは20代であれば、どの会社も積極的に採用しています。つまり超売り手市場なので、交渉しない手はありません。

はれきち

交渉すれば上がる可能性があります

30代、40代は給与交渉をしている

30代、40代が給与交渉する理由
  • 家族を養うために必要な額がある
  • 住宅ローンをかかえている
  • 前職の給与を下回りたくない
  • ステップアップを考えている
  • 自分の実績をアピールしたい
  • やりがいより給与を優先している

子供にお金がかかる、今の生活水準を落としたくない、給与が安いと住宅ローンが払えなくなるなどの理由から給与面の優先順位はかなり高い。年を取ればとるほどお金にシビアになり、重要度が高まります。

どんなに関心が高い業務内容であっても、もらえる給与が想定より低いと入社しません。それぐらい金額にシビアなのです。結局は『自分の価値』=『給与額』ですから。提示額の給与が低いとこの会社における自分の価値は低いことになります。

欲しい給与額を具体的に伝えてよいのか

結論からいうと、自分から欲しい金額をいきなり提示してはいけません。

理由としては、第二新卒は前職での実績や経験がとぼしいからです。上げる材料があれば別ですが…。よって、あなたから、「前職が25万の給与だったので、28万を希望したい」とストレートに伝えてはいけません。

まずは質問で給与の仕組みについて、聞くことをおすすめします。そうすれば頭の中で自分の想定される年収をはじくことができますからね。

前職と同程度を希望する場合

では、前職と同額程度の給与を希望するなら伝えてもよいのでしょうか?

まずは御社の給与規定に従う姿勢を示す。そのうえで伝えるようにしましょう。

あくまでも会社規程に従う姿勢を示したうえで、言いたいことを伝えるとかどが立ちません。

例えば、前職が28万だったとします。そこで、次のように伝えましょう。「基本は御社の給与規定に従いますが、前職が28万だったのでそれに近い形だと助かります。」

➡企業側からの金額提示が想像より低かった場合は、後から辞退すればよいのです。

面接官から希望額を聞かれた場合

逆に、面接官から希望の給与額はありますか?と聞かれたらどのように返答すればよいのでしょうか。

こちらも同様に、「会社の規程に従います」と伝えたうえで、「前職と同等以上を希望したいですが給与額が上がる条件等はありますか」と質問し返しましょう。

ここで採用担当者の想定を大きく上回る金額をいきなり提示すると不合格となってしまいます。少しでもよい条件で交渉したいなら、相手から給与のあがる条件を聞き出しましょう。

例えば、次のように伝えるとよいでしょう。

「基本は御社の給与規定に従いますが、前職が28万だったため同等以上をだったらうれしいです。給与額が上がる条件があれば教えていただけないでしょうか?」

面接官の立場として、このように言われると嫌は気分は全くしません。

はれきち

私はこちらの「聞き方」をおすすめします。上がる条件を引き出せばチャンスは広がります。

給与が上がる条件とは

第二新卒では給与の交渉ができないと思っている人が大半です。

ここでは私が第二新卒であっても給与をあげてもよいと判断する条件を教えます。

採用担当が給与を上げる判断材料
  • 前職と同じ業界のため即戦力になる
  • 前職で責任ある役割をしていた
  • 実務に必要な資格がすでにそろっている
  • 面接していて、あきらかに優秀と判断できる

即戦力になる

入社して、すぐに戦力となるのか、新卒と同様に一から教えて、一人前にするのかでは大きく違います。やはり経験は少なくても前職が同じ業界というのは給与をあげやすい条件のひとつになります。

第二新卒の最大メリットは社会人マナーや接客、電話対応など教える必要がなく、即戦力として長く働いてもらえることですからね。さらに同じ業界であれば、一から教えることが少なくてすむので貴重な存在です。

前職の役割がよい

第二新卒ですが、前職の役割がよい場合に給与をあげやすいです。例えば、何人もたばねる製造リーダーをしてた、あるいは受発注の購買担当の責任者をしていたなど、言い方は悪いですが、年齢の割に責任の重い役割をしていたと判断すれば、期待値が上がるため、給与をあげやすくなります。

第二新卒では実績より役割を重視しています。

例えば、営業で対前年120%達成した、2000万の実績を上げて月間1位を取ったとかより、どんな役割で仕事をしていたかの方がよっぽど重要視されます。

はれきち

数字はほんとあてになりません

実務に必要な資格を持っている

業務を遂行する上で必要な資格があります。持っていないと従事できない仕事や業務上、誰かが持っていないと違反になる資格があります。

このように実務にすぐいかせる資格を持っていると重宝されます。特に建築、鉄鋼、自動車などの製造現場で働くならマストな資格が多いです。

資格は即戦力につながるだけではなく、法令順守が厳しくなっている今だからこそ重宝されます。

面接が優秀

面接で、前職の経験やスキルをアピールすれば、優秀な人材と思われると考えていませんか?

それは大きな間違いです。

では、面接官はどこで優秀かを判断しているのか教えます。

仕事ができるかどうかの判断を『コミュニケーション能力』ではかっています。

決して話がうまいから仕事ができることじゃありません。

面接官がコミュ力があるか見ているポイント

・相手の目を見て話すことができる

・姿勢よく話ができる

・ハキハキと話ができる

なんだ、こんな簡単なことと思われますが、意外にできている人が少ないのです。これらをすべて実践して話すと自信を持っているように聞こえるのです。

採用者にあなたのことを優秀だと思わせたら、他社に取られたくない心理が働きます。そうなれば勝手に採用側から給与をあげてきます。

交渉して給与をあげやすい業界

交渉をしてあげやすい業界とあがりにくい業界があります。必ずしも交渉すればどの業界でもあがるわけではありません。

〇あがりやすい業界×あがりにくい業界
IT、WEB
コンサル、マーケティング
建築、建設
運送、物流
ホテル
百貨店、スーパー
清掃
介護
給与交渉であげやすい業界

一言でいうなら、給与交渉であがりやすいのは人手不足で困っている業界です。採用に力をいれているため、即戦力、有資格者ならすぐにでも雇いたいのです。年収ベースは比較的高めな業界といえます。

一方、給与交渉であがりにくいは年収ベースが低い業界です。あがる余地がほとんどないのです。サービス業などの生産性が低い業界は給与交渉が難しいでしょう。

IT、WEB業界

IT、WEB、ロボット、情報処理はどの会社も慢性的な人手不足となっています。経済産業省が発表したレポートによると2030年までに最大79万人のIT技術者が不足する試算となっています。特に前職がIT系なら、交渉を有利に進めることができます。

はれきち

給与がいいし、在宅率が高いのがいい

コンサル、マーケッティング業界

コンサルティング、マーケティング業界は実績や経験がものをいう世界です。年収アップのため、コンサル会社を渡り歩いたり、独立して起業する方が多い業界です。

コンサルティングの中にはIT系、人事系、財務系、戦略系など様々な分野があります。特殊な知識や経験を持っているなら、交渉して給与アップが見込めるでしょう。

建設、建築業界

業界でもっとも人手不足なのが、建設、建築業界です。ここ最近だけではなく、十数年同じ状況となっています。

職業別の有効求人倍率ベスト5(※令和5年2月)

1. 建設躯体工事(10.85倍)
2. 保安(7.10倍)
3. 建築・土木・測量技術者(6.99倍)
4. 土木(6.77倍)
5. 建設(5.12倍)

有効求人倍率の上位は必ず建設、建築業界が占めています。もしこの業界に行くのであれば、多少の融通は聞いてくれます。なにしろ、仕事量に対して、人員が全く足りていませんから。

運送、物流業界

運送、物流業界では2024年問題が一番の悩みとなっています。

2024年4月1日から「自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制」が適用されるため、社会的な問題となっています。

ルールを順守するとドライバーの数が全くたりないのです。今一番ホットな話題となっています。

この問題は私の会社だけでなく、多く企業に影響がでます。例えば生ものを想定すると、翌日に届くものが届かなくなります。わかりやすくいうと産地直送が翌日に届かないのです。

ドライバーの確保や輸送システムを再構築する必要が急務のため、給与を上げて人員を確保する企業が増えそうです。

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あらかじめ、『今の給与より月額3万アップの会社を探してください』と要望するだけで、該当企業を探してくれます。

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給与が増えた場合の最終確認

交渉によって、給与アップを勝ち取ることができてぬか喜びしてはいけません。まだ油断できないのです。

それは面接の流れの中で言われただけかもしれません。そう、口約束なのです。

いざ入社し、給与明細みて、『だまされた~』となることがあります。そうならないよう、入社前に自分の給与を正式な通知で知っておく必要があります。

内定をもらったなら、労働条件通知書を必ずもらうようにしてください。

労働条件通知書とは『給与、勤務場所、勤務時間、業務内容、昇給、退職』などの労働を記載した書類

労働条件通知書は労働者に対して、書面で交付することが義務づけられています。必ず入社するまでにもらいチェックしましょう。

まとめ

第二新卒で給与をアップさせる交渉は簡単ではありません。実績と経験がとぼしく、面接で給与面を詳しく聞くことは失礼だと思っているからです。

しかし、採用にたずさわっている私からすれば、交渉しないのはもったいないです。交渉して、少しでもあがれば得ですからね。

面接の二次、最終面接で次のような言い方をするとよいでしょう。

給与面ついては御社の規定に従います」、ただ、「前職と同等もしくはそれ以上を希望したいので、給与面が上がる条件を教えていただけないでしょうか

このように伝えれば、不快感は全くありません。

また、業界によって人手不足なIT、WEB系、コンサル、マーケティング、建設、建築、運送、物流業界は交渉して給与があがりやすいです。

面接で給与金額について交渉することが苦手なら、エージェントのいる転職サイトを活用するとよいでしょう。希望額を提示すれば条件のあう企業を紹介してくれます。ぜひ試してみてください。

第二新卒の給与交渉

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