第二新卒の合否は面接にかかっているといっても過言ではありません。履歴書の学歴や職務経歴書の内容、能力テストの点数、性格診断テストの判定のウエイトより面接の結果で合否が左右されます。
極端ないい方をすると面接さえ上手くけば、他の項目は少々目をつぶってもらえるのです。
なぜ、そんなことがわかるかって?
私は大手企業の中途採用に15年以上たずさわっている「はれきち」です。どんな人が採用されて、または落とされるのか熟知しています。面接対策で大事なポイントを3つを教えます。
面接対策で大事な3つのポイント
・企業のことをよく調べる
・想定される質問の回答を用意しておく
・印象よく見せる方法を知る
この記事を読むと第二新卒の面接にのぞむにあたって、採用者がどのポイントをみて合否の判断するのかわかります。結果、効率よく面接対策を練ることができるでしょう。
採用担当者が教える面接対策
企業の採用者側が合否のポイント教えることは通常ありません。
例えば、あなたが合格したのは「○○がよかったから」、あるいは「採用の総合点が○○点だった」からと伝えられることはありません。あるいは私の会社ではこういう項目で合否を判定しているとおおやけにいうことはないです。
面接対策は転職者の経験談や自分が体験したことがベースとなります。これはこれで参考になるところがあります。しかし、これは合否の判定によって、理由を後づけにしていることが多いのです。本当の所、落ちた原因は面接した面接官にしかわかりませんからね。
この原因は企業の採用基準に合致していないため、落とされるのです。採用基準は会社毎にことなり、ブラックボックス化されています。たとえ同じ会社であっても人事部の採用にたずさわっていないと知ることはできません。
当サイトでは採用側の立場のわたくしが面接のポイントについて、教えていこうと思います。
採用担当者が面接対策を教えるメリットは何なんでしょうか?
・採用者が面接のどこをみて合否の判定をしているかわかる
・質問の意図を理解できる
・採用基準の裏側がわかる
私は採用担当者として長年経験しているので、採用不採用の判断をどこでしているか教えることができます。もちろん、質問の意図や採用基準をわかってもらえれば、面接対策は想像よりは簡単となるでしょう。
受験のテストと一緒で覚える範囲が広いとやる気がでませんからね
大事なポイント3つ
就職するにはあなたが転職サイトの中から、興味ある企業を選んだり、転職エージェントに紹介された会社にエントリーしなければなりません。
求人票だけをみて、面接にのぞんでしまうと合格はむずかしいでしょう。
理由としては企業の全体像をつかめず、面接官の質問に対して、しっかりと答えることができないためです。
求人票に書かれている内容は簡潔に書かれています。
- 業務内容
- 給与
- 休日
- 勤務地
- 福利厚生
さすがにこれだけの情報だと私でもどんな会社か想像できません。
面接対策でやるべきことが3つあります。このポイントをしっかり押さえておきましょう。
・企業のことをよく調べる
・想定される質問の回答を用意しておく
・印象よくみられる方法を知る
企業のことをよく調べる
面接にのぞむ前にやるべきことがあります。
それは志望する企業のことをしっかり調べること!
なぜそんな当たり前のことをいうの?
びっくりするぐらい詳しく調べていない人が多いよ
実は中途採用面接をすると業務内容を深く理解せずにのぞむ人が多いのです。ひどい人はまともにホームページを見ていないし、求人票の情報だけで面接を受けようとします。こうなると採用側は「受かればどこの会社でもよいと思っているな」と判断します。
これから将来をゆだねるのに、しっかり詳しく会社のことを調べないのはもったいないです。
例えば、今から家を引っ越すのに部屋の間取りや周辺環境、日当たりはどうか調べませんか?住所、家賃、間取り、築年数だけの情報だと判断がむずかしいのと一緒です。
入社して「こんなはずではなかった」と後悔しても遅いですから。よく調べて、興味や関心が高まればエントリーすればよいし、ちょっと違うなと思えばパスすればよいのです。
ちなみにどんな情報を調べておくとよいか教えます。
<調べる項目リスト>
・会社の売上
・従業員の数
・経営理念
・創業年
・事業所数
・主力商品、サービス
・取引先
・ライバル会社
・業界でのシェアや地位
・CSRの取組み
ここをしっかり調べると面接官の質問に対して、スムーズに答えることができます。
<面接官からの質問>
・弊社を選んだ志望動機を教えてください。
・なぜこの業界を選んだか理由を教えてください。
・同業他社の中からなぜ弊社を選んだのですか?
では一体どうやって調べればよいのでしょうか?
一番はホームページを熟読することです。もちろん上場会社であれば、会社四季報、IR(財務状況や投資の判断に必要な情報)もよいですが、基本はホームページです。
上記の調べる項目のほとんどはホームページに記載されています。
売上や従業員数はネット検索すればすぐにでてきます。ついでに同業他社を調べれば、業界の立ち位置がわかるでしょう。
想定される質問の回答を用意しておく
面接で何を聞かれるのか不安ですよね。
突拍子もない質問がきたらどうしようとか、むずかしい質問がきたら答えられるか悩みますよね。
想定される質問が思いつきません
質問の量が多すぎて覚えられません
でも安心してください。
第二新卒の面接で質問されることはほとんど決まっています。つまりパターン化されているのです。
・志望動機を教えてください。
・前職をやめた(やめる)理由を教えてください。
・前職の実績(仕事の内容)を教えてください。
・自己PRをしてください。
・弊社のどんな点について興味を持たれましたか?
・同業他社ではなくなぜ弊社なのですか?
・将来どんなキャリアプランを描いていますか?
・業務をする上で不安な点を教えてください。
・給与面について問題ありませんか?
・将来、勤務地の異動は可能ですか?
※太字は特に重要度が高い
面接官は必ず質問する内容は決まっています。これらは評価に関わる要素の高い質問なのです。その他質問があっても重要度は低いと認識しましょう。
志望動機を教えてください
志望動機は面接において一丁目一番地といえる重要なポイントとなります。
採用担当者としては、数ある求人票の中から選んだ理由はもっとも興味があります。「なぜこの会社を選んだのか?」は一番最初に質問される重要な項目です。説得力のある志望動機がいえると面接を優位に進めることができるでしょう。
動機づけは会社のことを知ったり、興味を持つきっかけ(始まり)のため、あなたの関心度を図っている
前職をやめた(やめる)理由
前職をやめた(やめる)理由は細かく聞かれるポイントのひとつです。
やめた理由の回答よっては採用が見送りになることがあります。やめた理由が「仕事になれなかった」、「ノルマがきつい」、「上司とあわない」となれば、残念な結果となるでしょう。どの会社でもおこり得ることを理由にすると、入社したらまたやめるのではないかと判断されるでしょう。
人間関係や忍耐強さ、協調性があるかないか、長く勤めてもらえるか見極められる
前職の仕事内容を教えてください
同じ業界なら仕事の内容で力量を推察することができます。業界が違っても仕事を任されている範囲で力量を測ることができます。
オペレーターとオペレーターの補助では責任が違いますよね。また、営業と営業アシスタントでも違いますよね。立場でどの程度仕事を任されていたのかわかります。
あなたの実務経験から力量を測られている
弊社のどんな点について興味をもったか
どんな点に興味をもったかの質問の意図はどのくらい業務内容を調べているかわかります。抽象的な回答やあいまいな表現だと突っ込まれて、調べていないことがすぐバレてしまいます。志望動機でいいことをいってもほとんど調べていないとウソだとわかってしまうのです。
志望動機の裏付けや信ぴょう性がわかる
同業他社ではなくなぜ弊社なのか
同業他社との比較の質問をすると、入社意欲がわかります。この会社に入りたい!と思えば、他社情報はホームページに書いてないので興味を持って調べますよね。ここをしっかり調べていると本当に入社したいのかわかります。スパッと答えることができたら間違いなく、合格に近づくでしょう。
もっと企業や業界のことを知りたい意欲の高さがわかる
必ず面接で聞かれる質問なので、あらかじめ回答を準備しておくことが大事です。
印象よくみられる方法を知る
面接は面接官によい印象を与えたら勝ちといわれるぐらい、印象は合否に直結します。
質問にたいして、完璧な回答でも声が小さくて面接官が聞き取れない、早口でわからないと印象は悪くなりますよね。
回答することで精一杯になってた
誰でも印象がよくなる方法があるから覚えておこう
特に第一印象が大事
少し大げさに聞こえるかもしれませんが、挨拶をして最初の1分でどんな人か、面接官は見当をつけます。
例えば、暗い人だな、神経質そうだな、コミュ力低そうだな、営業向きではないなとか、じっくり話す前から雰囲気で察知します。ベテラン面接官となると面接が終わって、ほとんど第一印象の通りだったとなります。それぐらい当たっているのです。
逆に明るい人だな、気さくな人だな、落ち着いている、コミュ力高そう、仕事できそうだな、話しやすそうだなと第一印象がよいと好結果につながります。
では一体どこで第一印象のよしあしをみてるのでしょうか?
例えば、入室した時に寝ぐせがあったとします。その情報だけで、ズボラな性格、人目を気にしない、清潔感にかける、鈍感なタイプと面接をはじめる前から面接官にインプットされるのです。この状況から好印象へくつがえすのはよほど挽回しないかぎり、むずかしいです。
よって、第一印象は面接を受ける前に室内入ってくる姿勢や表情、最初の挨拶のハリや目線の位置で決まります。その他、面接官の印象がよくなる行為を教えます。ぜひ実践してみてください。
・清潔感がある
・挨拶がしっかりできる
・姿勢がよい
・話すときに目をみて話す
・表情が明るい
・回答がハキハキしている
・会話のテンポがよい
・結論から話す(長くならない)
・口角を上げて話す
・あいづちをうつ
一見、みると簡単にできそうですが、いざ実行しようとすると案外むずかしいです。それは面接という独特な緊張感の中でおこなわれているからです。
つい回答に集中しすぎて、周辺に気をくばる余裕がなくなります。
緊張感をほぐすには様々な方法があります。
・大きく息を吸って呼吸を整え、面接にのぞむ
・頭の中でなんどもシュミレーションする
・面接慣れするため、事前に練習用として他社の面接を受けておく
場数をこなせば改善はしていきます。
私が面接官をしていてもっとも残念な行為として、無表情で話をされることです。そのためこちらにも緊張感が伝わってきます。無表情だと感情がのらないので薄っぺらい志望動機や自己PRに聞こえてしまうのです。
口角をあげる
対策として、口角を上げて話をするだけです。それだけで印象は大きく変わります。表情がゆるむので緊張感が相手につたわりません。同じことをいっても無表情と明るい表情では説得力がちがいます。ただ、意識しないとできないので、知っているか、知らない差は大きいです。
回答するときは口角を上げて、ゆっくり話をするよう意識しましょう。
できる人が少ないのでやるだけで差別化になるよ
あいづちをうつ
回答だけに意識がいきやすいですが、聞く姿勢も評価の対象となります。面接官が質問をしているとき、説明しているときにあいづちをうつと理解してくれていると思われます。
私は新卒の会社説明会やインターンで数十人の前で説明しているときにあいづちをうたれるとついそちらの方へ意識が向かいます。よって、あいづちをしている方と目がよくあうのです。
ほんとあいづちをうてると好印象になるのです。
あいづちは真剣さと理解力をアピールできます。
新卒面接との違い
あなたが経験している「新卒の面接」と「第二新卒の面接」とでは何が違うのでしょうか?
ひとことで言うなら、第二新卒は『即戦力になるか』という目線で面接されます。
・質問内容
・採用基準
・タイミング
質問の内容
第二新卒は新卒と数年しか違いませんが、質問の内容が「学生時代の話」ではなく、「社会人経験の話」が中心になります。
新卒の場合はまだ学生なので、仕事ができるかどうかはゼミ、サークル、バイトの取組みを聞いて判断されます。しかし、第二新卒は社会人として、実績はあまりないですが、どんな業務を経験しているかで力量を見極められます。
質問の内容は社会人経験をしているので志望動機はもちろんですが、「直近の仕事の内容」、「辞めた(辞める)理由」に重点がおかれます。
例えば、どんな仕事をしていたかという質問をしたとします。経験者Aと経験者Bではどちらが即戦力として活躍できそうですか?
経験者A | 経験者B |
---|---|
月50件のルート営業と新規開拓営業をしていた ・年間の売上目標3000万に対して、達成率110% ・毎月2件以上の新規開拓に成功 ・部内の成績は10人中2位 | 上司と同行営業し、サポート業務をしていた ・月20件のレポート作成 ・ノルマは特になし ・月10件のテレアポ実績あり |
あきらかに経験者Aの方が責任の度合いが大きいですよね。具体的な数字があるのでイメージしやすいです。責任という観点でみるとあきらかに経験者Aのほうがあります。そうです、経験値があるなという印象ですよね。採用者はあなたが前職でどんな業務をしていたか、あるいは経験したかで力量をはかっているのです。
ただ、あまり自分を大きくみせようとするとしっぺ返しにあうので気をつけて下さい。採用側はなれているので、突っ込んだ質問がとんできます。
・年間目標は上司や同僚と比べ、高いですか、低いですか?
・どのような方法で新規開拓営業をしたのですか?
・部内の順位成績は月ですか、年間ですか?
ここでのやりとりは業務の大変さを知るのではなく、会話がスムーズにできるか、的を得た回答になっているかを見ています。
そうです、仕事の力量だけでなく、コミュニケーション能力が高いか、低いかも判断されているのです。
採用基準
第二新卒の採用基準は簡単にいうと「戦力として役に立つ人材」かどうかで採用、不採用が決まります。
新卒と違い計算できる人材がほしいのです。素材重視であれば新卒採用でいいわけですから。
では、何をもって「戦力として役に立つ」かというと、私は質問にたいして、「しっかり受け答えができる」かどうかで判断しています。
具体的な説明と伝え方がポイントになります。
新卒と違い社会経験があるので説明に具体性が求められます。伝え方でコミュニケーション力が高いかどうかを判断されます。
仕事できる人は自信をもっているように話しますから
例えば、
Q.弊社のどんな点について興味をもたれましたか?
A.教育制度の充実です。入社してすぐのOJTだけではなく、3か月、6か月、1年、3年と長期にわたり一人前になるプログラムがあるため早く技術を習得できると感じました。他社にないプランのため、教育に力を入れている会社だと認識しました。ぜひ、わたしも体験し、早く御社の力になりたいと感じました。
当然、質問の的を得た回答が大前提ですが、あなたが自信をもってハキハキ答えれば、面接官への印象はよくなります。
自信がなければ、おどおどするし、声が小さくなります。そうなれば、信ぴょう性を疑われますから。
面接官は仕事ができるタイプかの判断は実際に仕事をみることができないので、面接の受け答えで判断します。
新卒の場合は面接だけでなく学歴やエントリーシートの書き方も重視されます。しかし、第二新卒の場合は学歴より仕事内容や質問の受け答えがどれくらいできるかで評価されます。
つまり、第二新卒は新卒と比べより一層、面接重視となるのです。
タイミング
第二新卒は転職中によい求人と巡りあうかはタイミング次第といえます。希望する企業があっても一か月前で求人が終わっていたら就職はできません。
新卒は入社する時期が4月と決まっています。よって、全員が4月入社に向け、1年前以上から就活をスタートしますよね。ただ、第二新卒は何月と決まっていないため、中途採用の求人ありきとなるのです。
私の会社では支店に欠員がでる、業務拡大で人手がほしいときに求人をだします。だすタイミングはいつになるかわかりません。また、エリアも東京や大阪などの都市部になるか、宮崎や鳥取など地方になるかわかりません。
新卒 | 第二新卒 | |
入社する時期 | 4月 | 1~12月 |
企業が求人をだす時期 | 1年以上前から | 都度 |
勤務地 | 希望できる | 限定されている |
職種 | 選べる | 選べない |
ライバル | 多い | 少ない |
中途採用は企業が求人するタイミングであなたが探していないとマッチングできないのです。数ヶ月どちらかがズレると目にふれることはないのです。
そう考えると第二新卒のあなたと企業に縁がないと巡りあえません。
その分、ライバルは新卒のときより少ないので、大手企業であっても合格するチャンスは十分あります。
まとめ
第二新卒は転職市場において、引く手あまたの状態にあります。30代、40代、50代と年を重ねるごとに難易度が上がっていきます。
どの企業もウエルカムの存在です。よって、第二新卒は誰でも大手企業、人気企業、大手ベンチャー企業に就職するチャンスがあります。ただし、面接対策をおろそかにすると合格することはできません。
企業のことをよく調べ、面接で想定される質問の回答を用意しておくことが大事です。なにを質問されるのか不安になることはありません。質問される内容は限られています。ポイントをしっかり押さえておけば、必ず評価されるでしょう。
もうひとつ、面接官に印象よくみられるテクニックを知っていれば、合格にぐっと近づくことができます。評価されるうえで、第一印象はかなりのウエイトを占めています。
落ち着いて実践すれば、だれでも印象はよくなるのでため試してみてください。
企業が求人を出すタイミングとあなたの転職活動のタイミングがあってはじめて巡りあいます。縁を大切にして、がんばっていきましょう。